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外壁塗り替え塗料を選ぶポイント

塗装サイクルに合わせた塗料スタイル

住宅の品質をいつまでも維持するには、メンテナンスが不可欠です。日本の住宅寿命の約30~40年という中で、何回塗り替えをするかにより、予算・使う塗料が変わってきます。
新築に12~15年の寿命を持つ塗料を選択することにより、塗り替え回数を1~2回に抑えることが可能です。また、ほんの数年ぐらいで、現在のお住まいが変わる可能性がある場合は、7~10年の耐年数の塗料を使用すればコストを抑えられます。

汚れやカビ・藻から守る

新築からおよそ10年経つと、雨による筋状の汚れ、湿気のある箇所で発生するカビ・藻による汚れなど、様々な汚れが目立ってきます。
現在の塗料技術ではカビや藻などの汚れを完全に退治することは不可能です。しかし、下塗りから上塗りまで、カビ・藻を防止する機能のついた塗料を選ぶと、長期間にわたって防止することは可能です。

人に家に環境に優しい

塗り替えをする場合は、人の健康への配慮も大切です。嫌な臭いもなく、アレルギーの誘発もない。取り扱いも安全で、人にやさしい塗料がベストです。
近年は、さらに大気浄化作用で空気を綺麗に保つ塗料も開発されています。健康を心遣ったものをお薦めします。

紫外線に強い

紫外線で人の肌にシミができるのと同じく、住宅も紫外線で色落ち、白化、さらにヘアークラックと呼ばれる細かなヒビ割れの原因になります。そうすると水分がそこから浸入し、劣化がますます進みます。
化粧品のUVカット技術で紫外線から肌を守るように、過酷な環境でも耐えられる紫外線に強い塗料を選ぶのがポイントです。

塗料の種類

現在利用されている塗料の種類は、基本4種類です。「フッ素」「シリコン」「ウレタン」「アクリル」の4種類になります。「安い」「汚れにくい」「防水性」等、特長はさまざまです。塗装する箇所によって塗りわけをするのが一般的です。
また、近年「光触媒塗料」と言う「衛生面」「高耐久力」ととても優れた塗料が誕生しました。

アクリル樹脂塗料アクリル塗料の特長は、とても価格が安い事です。ただ、自然乾燥で硬化するため取り扱いが簡単なのですが、耐用年数が短く、外壁や建物外部の塗装には向いていません。 耐用年数は4~6年程度で、建物の耐用年数を考えず、短期間で別の色に塗り替える場合に適しています。弾性アクリル塗料はヒビ割れに強く、防水性にも優れています。
ウレタン樹脂塗料ウレタン樹脂塗料は、従来からあらゆる素地に使われています。価格は比較的安く、防汚性、弾性、耐久性が塗料としてのバランスがとれています。止水やヒビ割れ防止の注入剤ともなり、外壁を守る優良な素材と言えます。 反応硬化型塗料ですが、8年から10年程度が耐用年数だといわれています。
シリコン樹脂塗料シリコン系塗料は、防汚性能が非常に高く、品質に比較して価格の手ごろなのが特長です。一般には、外壁の最高級塗料であるフッ素よりも防汚性は高いと言われています。ほとんどがガラス質の反応硬化塗料のため、塗装表面が硬く綺麗になるからです。 耐用年数は12年~15年程度と比較的長く、品質に対して価格が手ごろなので経済的な塗料と言えます。耐用年数が4~8年程度のアクリル・ウレタンに対して、シリコン塗料は1.5倍長持ちします。
フッ素樹脂塗料フッ素塗料は、耐久性や衝撃に優れ、耐用年数は長く15年~20年です。しかし、汚れが付着しやすい欠点が多少あります(すぐに水洗いで落とせます)。 価格は品質に比例して高くなり、単価でシリコン系塗料の3倍程度しますが、塗料自体の耐用年数が長いため、長期間利用する建築物だと、実際の塗装回数は少なく済みます。

アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素の4種類は、さらに分類されます。
水性塗料・弱溶剤系塗料・強溶剤系塗料の3種類です。
違いは、水で希釈するか、シンナーで希釈するか、専用シンナーで希釈するかです。

特徴

  • 水性塗料はあまり臭わない。
  • 溶剤系塗料は臭う(強溶剤のほうが臭う)。この3種類はさらに、一液型塗料・二液型塗料に分かれます。
  • 一液型塗料はそのまま希釈して使用する。
  • 二液型塗料は硬化剤を混合して使用する。

 

そして、同じ塗料でも、硬質タイプ・弾性タイプがあり、また艶有り・艶消しタイプがあります。
更にメーカーによっても、その特性は変わってきます。
実に多種多様な塗料があることになります。

塗膜と耐久性について

なぜ二回塗りなのか

塗装の耐久性は塗膜の厚さに非常に関連しており、膜厚が薄ければ耐久性は短く、厚ければ耐久性は増していきます。
しかし、極度に膜厚をつけようとすると塗料のタレが生じ、何層も塗って膜厚をつけるとワレが生じます。
そこで標準塗料所要量がカタログなどに表示されている訳です。
すなわち、

標準塗料所要量=
最低膜厚理論塗布量×(1+管理膜厚係数)×(1+被塗面祖度係数)×(1+塗装ロス係数)

一般には、
標準塗料所要量=最低膜厚理論塗布量×1.93(=1.25×1.10×1.40)
を標準として、最低膜厚以下の箇所の補修塗布量を考慮し理論塗布量×2倍を標準塗料所要量としています。

しかしここで大事な点は、塗装のムラ(バラツキ)を出来るだけ小さくすること、すなわち塗膜厚の均一性を高めることが有効であり、塗装技量による影響が大であることです。