希釈とは?

塗料に水やシンナーを混ぜることをいいます。
メーカーが規定した希釈率を守らなければ、濃くても薄くても耐久年数は悪くなります。
塗装方法(ハケ・ローラー・吹付)で異なるのは道具によって塗装される量が異なってくるからです。
同じ塗装方法でも0~10%と幅があるのは気温によって希釈率を変える必要があるからです。

プライマーとは?

puraimary(最初の)に由来する用語で、「最初に塗る塗料」という意味です。
下地との接着力を特別に良くした<接着プライマー>
下地金属の腐食反応を抑制する<防錆プライマー>
その他、導電性プライマー・絶縁プライマー・弾性プライマー・浸透性プライマー等様々あり、下地の種類によって使い分けます。

シーラーとは?

浸透性に優れ、脆弱した下地を強化する役割があります。
また下地と塗料との密着性を高めます。

フィラーとは?

filler(埋めるもの・詰め物・充填剤)からくる用語で下地の凹凸を埋め、下地を調整する役割を持つ下地塗料なのでフィラーと呼ばれます。
クラックの補修や、段差のある下地を平滑する為に使われ、弾性機能を兼ね備えたものもあります。

1液型塗料とは?

塗料と硬化剤が一緒に缶に入っています。
そのため保存性が悪く、硬化剤の反応が進んで中でゼリー状に固まってしまいます。
2液性の方が長く保存でき、耐久性が良いです。

2液型塗料とは?

主剤と硬化剤を混ぜて使うもので、硬化剤には塗料が固まるのを早めたり硬くする役割があります。
一度調合すると翌日には固まってしまい使用できません。

クラックが多い!どうしたら?

工法は3通りあります。

Ⅰ.複層弾性
シーラー→中塗り(高弾性材)→上塗2回塗り
8~10年弾力性を保ち、高い伸縮性があります。
この工法に使われる塗料は工法の性質上限られていて耐候性にも優れています。

Ⅱ.単層弾性
シーラー→弾性材2回塗り
弾性材と上塗材が一緒になっています。
1に比べると弾力性は3分の2以下で、段々と硬化して弾力性が失われます。
シリコン入りもありますが、主成分はアクリル系が多いので耐候性にも劣ります。

Ⅲ.微弾性材+弾性上塗塗料
微弾性材→上塗2回塗り
微弾性なので、やはり複層弾性材より弾力性に劣ります。
弾性材の硬化も早いですが、上塗塗料が選べるのでグレードの高い塗料を選べます。

※全て、弾性材を厚塗りすることが条件です。
※Ⅰの工法が最も優れていますが、工程が多いので材料費や人件費がかかり高額になります。

硬化剤をたくさん入れれば良いのか?

主剤と硬化剤の混合比率がメーカーごとに規定されていて、これを守らなければ耐久年数を発揮できません。
そのため計量器を使って正確に量ります。

弱溶剤・強溶剤塗料とは?

弱溶剤塗料は塗料シンナーで希釈し、水性塗料に比べると臭いがありますが密着性・耐候性・仕上がり感に優れています。
強溶剤はラッカーシンナーなどの強い溶解液で希釈する塗料です。密着性・耐候性が非常に強いのですが、臭いが強烈なために苦情が多かったことからあまり使われていません。

塗料の選択

塗料の種類

塗料は大きく分けてアクリル・ウレタン・シリコン・フッソがあり、それぞれ水性・弱溶剤・強溶剤・一液・二液に細かく分類されます。

塗料の種類と塗り替え周期
アクリル6~7年
ウレタン8~10年
シリコン12~15年
フッソ15~20年

メンテナンス

フッソは高価格ですが、最も長持ちする塗料でもあります。
しかしフッソを塗れば20年間全くメンテナンスが必要ないということはありません。
外壁がモルタルなら、どんな塗料を塗ってもクラックは生じます。
サイディングならコーキングが劣化していきます。クラックやコーキングの切れ目から水が入ってはどんな塗料を選んでも意味がありません。

周期

塗り替えした後、ずっと美観を保っているわけではなく、汚れやカビ・コケが生じます。これらのことを考えると、塗り替えの周期は10~12年がベストだと思います。
ですから当店では費用対効果を考えて、ウレタンかシリコンを薦めています。
これは参考意見であって、他の塗料がいけないということではありません。別な考え方も出来るからです。

ポイント

ただ確実に言えるのは、どんな塗料を選ぶにしてもその機能を十分に発揮させる施工をしなければならないということです。

*乾燥時間を守る
*責任者が希釈率を一定に管理する
*塗膜をムラなく、均一につける

以上のことは大切な条件なのですが、意外に守られていません。